メガネで目が小さく見えるのはなぜ?度数と縮小率の関係

強い近視のメガネをかけると、レンズ越しの目が小さく見えます。その理由と、度数ごとにどのくらい小さく見えるのかの目安を、光学の基本にさかのぼって説明します。

なぜ凹レンズで目が小さく見えるのか

近視を矯正するレンズは「凹レンズ」です。中心が薄く、周辺が厚い形をしています。この形が通過する光を外側に広げ、網膜の手前で合っていた遠くの景色のピントを網膜上まで引き戻します。これが近視の矯正です。

この凹レンズを通して物を見ると、実物より少し縮んだ像になります。虫めがねで物が大きく見える現象の、ちょうど逆です。周りの人はレンズ越しにあなたの目を見ているので、目が実際より小さく映ります。度数が強いほど光を曲げる力が強く、そのぶん縮小も大きくなります。

どのくらい小さく見えるのか

レンズ越しに見える大きさの変化は、次の近似式でおおよそ見積もれます。

M = 1 / (1 − d × P)

  • M:倍率(1より小さければ縮小して見える)
  • d:角膜からレンズまでの距離(頂点間距離)[m]。一般に約0.012m(12mm)
  • P:レンズの度数[D]。近視用はマイナスの値

d = 12mm(0.012m)とした場合の、度数ごとの縮小率の概算は次のとおりです。

球面度数 倍率 M(概算) 縮小の目安
−2.00D約0.98約2%小さく見える
−4.00D約0.95約5%小さく見える
−6.00D約0.93約7%小さく見える
−8.00D約0.91約9%小さく見える
−10.00D約0.89約11%小さく見える

上の数値はあくまで概算です。実際には、レンズの設計や頂点間距離によって多少前後します。

縮小を目立ちにくくする一般的な工夫

近似式を見ると、縮小の大きさを決めているのは度数と頂点間距離です。度数は視力によって決まるため、工夫できるのは主にフレーム選びとフィッティングになります。

最も直接的に影響するのは頂点間距離です。目とレンズが近いほど縮小は小さくなるため、フィッティングで距離を縮められないか、メガネ店で相談する価値があります。フレームは小さめが有利です。レンズの縁に近い部分ほど像のゆがみが目立つので、レンズ面積が小さいほうが顔の輪郭の段差や縮小が気になりにくくなります。薄型(高屈折率)レンズはレンズの厚みと見た目の印象を抑えられますが、縮小率そのものが大きく変わるわけではありません。

自分の顔で見てみる

「−6.00Dで約7%」と数値で示されても、実際の見え方はイメージしにくいものです。このサイトのシミュレータに、メガネを外した正面の顔写真と度数を入れると、度付きレンズ越しの目の見え方を、度なしの状態と並べて見比べられます。無料で、写真は端末のブラウザ内だけで処理されます。サーバーに送られることも保存されることもありません。

シミュレータを無料で使う インストール不要・ブラウザで動作します

シミュレーション結果は近似式による概算で、実際の見え方や仕上がりを保証するものではありません(医療機器でもなく、視力測定や処方の代わりにもなりません)。度数には眼科の処方箋かメガネ店の測定値を使ってください。